マッハ!!!!!/この映画で学んで欲しいことが二つある。ひとつはかなづちで殴れば人は死ぬということ。あとはトンファーの正しい使い方だ。やー、アクションに関しては前評判どおり、痛そう、痛い、大丈夫?生きてる?って感じなんですが、細かい演出が結構光ってた。人が死ぬこと、死んだら悲しいということ、そこらへんをしっかりと描写しているアクション物ってほとんど皆無なんじゃないかしら。全体的な痛みの感じるアクションシーンとあいまって、独特の雰囲気が出ています。
☆☆☆★★
害虫/青山真治監督の『EUREKA』で鮮烈なデビューを果たした、心に闇を宿した死の臭いのする14歳の少女だったころの宮崎あおい主演の作品。今は、NANAでハチを演じたりとポスト鈴木杏のような宮崎あおいですが、このころは本当に美少女でした。作品の内容も母親の自殺未遂、不登校、火炎瓶を作って民家を燃やす、など盛りだくさん、しかも1時間半の作品なのに、その間登場人物全員がほとんどしゃべらない。パンフレットのあらすじ紹介がないとあらすじさえわからないという、理屈抜きで14歳女子の闇を味わうだけの映画。
☆☆☆★★
金髪の草原
/一度目観たとき、号泣しました。あー、でもどこが悲しいとか上手く伝えられないや。現実は重く冷たくてどうにもならなくて、でも夢の中なら、僕らは何にだってなれる、どこへだっていける。そんな夢が現実を浸食する物語。
☆☆☆☆★
ジョゼと虎と魚たち
/金髪の草原の犬堂一心と池脇千鶴のコンビの送る第2段。って解釈でいいのかしら。本当に象徴的な要素の使い方の上手い映画で。人を好きになって、付き合うようになって、幸せになって。でもそれによって決定的に失うなにか。永遠は約束されず、終わることの分かっている恋。
☆☆☆☆☆
紀雄の部屋/電車男の前に、この映画を見たほうがいい!電車男よりもよっぽど痛いから!主人公はプロレスオタクの大学生。観戦に行った試合で選手入場のときにバトンをまわす彼女に一目ぼれ、付き合うことになるが彼女には大きな秘密が…。話の大筋はオーソドックスなラブストーリーなんですが、いちいち描写がオタオタしいそして痛々しい。5分に1回、「それはアリなの?」と叫びます。本と酷い。でも泣ける。僕は泣いた。
☆☆☆☆★
スパイダーマン2
/ハリウッド映画なのに、ハリウッド映画っぽくない。隅から隅までハリウッド映画の文法で作られているのに(つまり誰がみても面白い)そこはかとなく漂ってくるB級映画スメル。でも本当に面白いです。かっこいい、すごくかっこ悪いけどかっこいい映画。
☆☆☆☆☆
ノエイン
/近年まれにみるジュブナイル物SFの傑作。カラスとフクロウ、ユウとノエインの絡みも素晴らしいけど、何よりアトリがかっこいい、超かっこいい。絵も非常にカワイイし、鈴の鳴るような声でコロコロと笑い、よく動くハルカは見てるだけでも楽しい。また、テキのキョダイロボのデザインも禍々しくて大すき。函館の町を舞台にしたアニメなので、いつか聖地巡礼をしたいと思います。
☆☆☆☆☆
かみちゅ
/ある日とつぜん神様になってしまった女子中学生、一ツ橋ゆりえとその周りの人たちの物語。ころころ動くゆりえがかわいい。あと、ゆりえ(と霊能力のある人間)にだけにみえる街中の神様とか妖怪とか精霊が楽しい。つねづね僕は千と千尋の物語は映画にするんじゃなくって、全13話くらいのテレビシリーズにしたらいいんじゃないかって思ってたんだけど、実際テレビシリーズになったらこんな感じなのかな、って思う。あんまり考えずにのほほんと楽しむアニメ。
☆☆☆★★
ジャイアントロボ
/熱い。とにかく熱い。ミスター味っ子、Gガンダムの今川監督の最高傑作(当社調べ)。ジャイアントロボのキャラクターだけでなく、魔法使いサリーや諸葛孔明など横山光輝作品の登場人物が縦横無尽に活躍する。もうなんていうか観ろ!すごいから!!
☆☆☆☆☆
エルフェンリート
/本当に奇蹟のようなアニメです。コメットさんの神戸守が描く、なんていうか、ええと、その。とにかく一見の価値はアリです。
☆☆☆☆★
雲の向こう約束の場所
/村上春樹系、つまりセカイ系。村上春樹系の物語を一言でいうなら「踊るんだよ、できるだけ上手く」だと思います。世界は、硬く、冷たく、僕らがどうあがいたってちっとも変わることなく、僕らを押し流していく、そこで、できること。
☆☆☆☆★
灰羽連盟/高い壁に囲まれ、外の世界と隔絶されたグリの町、そこで生きる、灰色の飛べない羽を持った、灰羽たちの物語。村上春樹の世界の終わりとハードボイルドワンダーランドに良く似た世界観ですが、そこで語られる物語は、全く違う。灰羽たちは、時が来れば壁を越える。自分たちの夢を思い出して。安倍吉俊のキャラクターがまた良いです。
☆☆☆★★
ハチミツとクローバー
/人を好きになって、ほんとに好きになってどうしようもなくなる気持ち。そんな気持ちを思い出してあうあう言いながら布団でもだえ死ぬ漫画です。あと、本当に登場人物がまっすぐで、才能にあふれるやつはあふれてて、駄目なやつは駄目で、それでも前を向いて歩いてる姿には、廊下で壁に頭を打ちつけながらあうあうあうって言う。もうだめ。
☆☆☆☆★
プーねこ
/日本全国で売れてません。や、売れてないはず無いんだが。アフタヌーンで「ああっ教祖さま!」というタイトルで連載されていた北道正幸せんせいの最強の猫マンガ。タイトルが変わったのはいろいろと大人の事情があったんだと思います。猫好きの人は買って損しません。
☆☆☆☆★
エルフェンリート
/だまされたと思って読んでみてください、だまされたと思うから。でも岡本倫は天才だという意見には同意してもらえると思う。
☆☆☆☆☆
ぼくらの。
/ジョージ秋山のザ・ムーンの本歌取り(オマージュ)。少年少女と死の物語。
☆☆☆☆☆
なるたる
/未来へ送るメルヘン。エヴァ以降のマンガ(つまり世界と自分との折り合いの物語)として僕はなるたるとEDENを推すのですが、こちらは完結。世界の中心で愛を叫んだまま、殺しあう物語になりました。鬼頭莫宏と岡本倫とヘンリーダーガーの相関についていつかちゃんと語りたいなあ。
☆☆☆☆★
EDEN/そして、EDENでは物理的な人類補完計画が進行中。作品内容とは全然関係ないですけどね、この人の描く褐色娘は萌える。
☆☆☆☆★